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インバウンド観光客は飲食店をどう選ぶ?訪日旅行者調査から見る集客対策

目次

訪日旅行者の飲食店選びは、旅行前だけで完結していません。COLLINSとGuideMe Japanが京都の英語対応ツアー参加者354名へ行った調査では、76.3%が、日本で利用する飲食店の70%以上を来日後に選んでいました。旅行中はGoogle Mapsを中心に、Google検索、口コミ、SNS、通りがかり、AIなどを組み合わせ、2〜3店を比較して決めています。海外向け広告だけでなく、日本滞在中に「今いる場所から行けるか」「何を、いくらで食べられるか」「予約なしで入れるか」を判断できる情報整備が重要です。
この記事の要点
  • 76.3%が飲食店の70%以上を来日後に選び、44.4%は旅行中の食事を一度も予約していませんでした。
  • Google Mapsは利用率63.0%、最も信頼する情報源でも25.7%で首位ですが、判断は複数媒体に分散しています。
  • 英語を話せるスタッフより先に、写真付き・英語メニュー、価格、入口、予約、食事制限等を自分で理解できる状態が求められています。

調査の概要と注意点

調査は2026年4月1日〜7月31日、GuideMe Japanが京都で運営する英語対応ツアーの参加者354名を対象に実施しました。米国籍39.5%、初訪日79.1%、家族旅行73.4%などの偏りがあり、訪日旅行者全体を代表する無作為調査ではありません。一方、土地勘や日本の予約慣行を持たない旅行者が、滞在中にどの情報を使い、何に困るかを考える実務上の材料になります。

1|飲食店の多くは来日後に選ばれている

回答者の76.3%は、日本で利用する飲食店の70%以上を来日後に決めていました。さらに52.0%は9割以上を来日後に選択し、初訪日層では7割以上を来日後に決める割合が79.3%でした。旅行前の認知だけでなく、来日後に現在地、営業時間、価格、料理ジャンル、空席、入口をすぐ確認できる状態が必要です。

2|Google Mapsが中心だが、複数情報で決める

情報源はGoogle Maps63.0%、通りがかり36.4%、Google検索31.6%、Googleレビュー30.2%、Instagram24.3%でした。Google Maps、検索、レビューのいずれかを使った人は82.5%です。「最も信頼する情報源」もGoogle Maps25.7%で首位ですが、Google検索12.1%、推薦9.3%、通りがかり8.2%、食べログ7.9%などに分散しました。利用する情報源は平均3.83種類です。
情報源 利用・信頼 役割
Google Maps 利用63.0%/最信頼25.7% 現在地、距離、営業時間、評価、写真、経路
通りがかり 利用36.4% 外観、店頭メニュー、営業中か
Google検索 利用31.6%/最信頼12.1% 料理・エリア検索、公式HPや記事
Googleレビュー 利用30.2% 評価と具体的な体験
Instagram 利用24.3%/最信頼3.7% 料理・空間の発見、雰囲気

3|比較の入口は料理・場所・価格・評価

重視された要因は、料理ジャンル75.4%、評価スコア53.4%、立地・利便性47.5%、価格・予算適合33.6%、口コミ内容27.4%、写真・視覚的魅力27.1%でした。1回の食事で比較する候補数は2〜3店が68.1%、4店以上が20.6%です。地図や検索結果で競合と並んだ時に、料理、価格、場所、評価、写真、入店条件を短時間で理解できる必要があります。

4|44.4%は食事を一度も予約していない

回答者の44.4%は、日本旅行中の食事を一度も予約していませんでした。店舗側は、事前予約層と当日入店層の双方へ情報を用意します。「予約必須か」「当日席はあるか」「最終入店時刻」「人数制限」「待ち時間」「満席時の案内」を示します。

5|流暢な英語接客だけが答えではない

十分な英語対応として「写真付きメニューで十分」34.2%、「英語メニューで十分」25.1%が上位で、合計59.3%でした。「英語を話せるスタッフが必要」は1.1%です。英語接客が不要という意味ではなく、旅行者が料理内容、価格、注文方法を自分で判断できる情報が先に求められています。
改善要望 割合
英語・翻訳 30.1%
メニュー・写真・価格 27.6%
場所・入口 18.6%
予約・空席 14.1%
食事制限 12.2%

6|AIは推薦・比較・翻訳に使われる

AIを推薦、候補比較、現在地付近の検索、翻訳・注文、メニュー理解などに使った人は57.6%でした。用途は推薦37.6%、候補比較18.6%、現在地検索16.7%、翻訳・注文15.5%、メニュー理解12.4%です。一方、飲食店探しの情報源としてAIを選んだ人は12.7%、最も信頼する情報源とした人は4.0%でした。AIはGoogle Maps、公式サイト、口コミ、SNSの情報を整理し、理解と比較を助ける役割が考えられます。

インバウンド集客で優先したい8項目

  1. Google Mapsのピン、英語店名、料理ジャンル、営業時間、臨時休業、予約リンクを更新する。
  2. 建物名、階数、入口、看板、駅からの経路を写真で示す。
  3. 代表料理の写真、英語名、内容、税込価格、量・人数目安を掲載する。
  4. 予約必須・当日入店、ラストオーダー、サービス料、支払い方法を明示する。
  5. アレルギー、ベジタリアン、宗教上の制限への対応可否を示す。
  6. 公式HPに料理、価格、場所、予約、FAQをテキストで掲載する。
  7. SNSからGoogle Maps、公式HP、予約ページへ導く。
  8. 店頭で営業中、予約なし入店、価格帯、英語・写真メニューの有無を理解できるようにする。

旅行前・来日後・来店直前で役割を分ける

段階 主な疑問 店舗側の情報
旅行前 何を食べるか、予約すべきか 代表料理、評判、コース、予約、記事・SNS
来日後の探索 近いか、営業中か、予算に合うか Google Maps、営業時間、距離、価格、当日入店、口コミ
比較・予約 自分たちに合うか、確実に入れるか 公式HP、メニュー、食事制限、席、予約条件
来店直前 入口はどこか、注文できるか 入口写真、建物・階数、写真付きメニュー、支払い方法

インバウンド対応10項目チェック

確認項目 確認
Google Mapsの店名・住所・ピン・営業時間が正確
英語で料理ジャンルと価格帯が分かる
代表料理の写真、内容、税込価格がある
建物、階数、入口、駅からの経路が分かる
予約必須・当日入店・空席確認の方法が分かる
海外から利用できる予約導線がある
写真付きまたは英語メニューがある
食事制限の対応可否が分かる
公式HP、Google、媒体、SNSの情報が一致
臨時休業・価格・予約リンクの更新担当がいる

まとめ

訪日旅行者の飲食店選びでは、来日後の意思決定が大きな割合を占めます。Google Mapsが中心的な入口である一方、Google検索、口コミ、SNS、通りがかり、公式サイト、AIなど複数の情報で候補を比較します。インバウンド集客の最初の一歩は、旅行者が自分で「何を、どこで、いくらで食べられるか」「予約できるか」「入口はどこか」「食事制限に対応できるか」を理解できる情報環境をつくることです。

よくある質問

Q. まず海外向け広告を出すべきですか?

A. 広告より先に、Google Maps、公式HP、メニュー、価格、入口、予約、食事制限等の受け皿を整えます。

Q. 英語を話せるスタッフがいないと対応できませんか?

A. 写真付き・英語メニュー、価格、注文方法、予約、入口、食事制限等を自分で理解できるようにすると多くの不安を減らせます。

Q. Google Mapsだけで十分ですか?

A. 重要ですが、旅行者は複数情報を使います。公式HP、口コミ、SNS、予約ページと基本情報を一致させます。

参考資料・調査上の注意

※ 本調査は京都の英語対応ツアー参加者を対象とした便宜抽出調査で、訪日旅行者全体を代表するものではありません。 ※ 複数回答設問は合計が100%を超えます。

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