AIで飲食店を知る人は、他の情報も調べる?100名の回答を再分析
目次
AIで飲食店を知る人も、AI以外の情報を確認先にしています。COLLINSの2026年調査では、AIを飲食店認知のきっかけに挙げた100名のうち、98名が、興味を持った店舗を調べる方法としてAI以外の具体的な選択肢も選んでいました。AI対策だけを別の施策にせず、公式情報・SNS・口コミと合わせて考えることが大切です。
AIを認知のきっかけに挙げた100名を再集計
「飲食店を知るきっかけになっている情報源」で、ChatGPT・Gemini・Claude・その他のAIツールのいずれかを選んだ人は100名でした。複数のAIを選んだ人も1名として数えています。 この100名について「興味を持った飲食店を調べる時に使用するメディアや方法」を確認したところ、98名・98.0%が、友人・家族、公式ホームページ、店舗SNS、グルメ媒体の店舗ページ、口コミ、Webメディア・ブログのいずれかも選択していました。「その他」はこの98名の判定に含めていません。[1]| 確認先 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| ブランド・店舗のSNSアカウント | 69名 | 69.0% |
| 口コミ・レビューサイト | 68名 | 68.0% |
| グルメ媒体の店舗ページ | 64名 | 64.0% |
| ブランド・店舗のホームページ | 62名 | 62.0% |
COLLINSの考察:AIと既存媒体を対立させない
この結果から、COLLINSは「AIを使う顧客への対応」と「ホームページやSNSの整備」を別々に考えないことが重要だと捉えています。AIを認知のきっかけにする人にも、店舗の写真やメニュー、口コミを確認する接点があるためです。 例えば、候補となる店の名前を知っても、コースの内容、予算、席の雰囲気、予約条件が分からなければ、自分の目的に合うかを判断しにくくなります。店舗側が用意すべきなのは、AI向けの宣伝文だけでなく、こうした疑問に答える具体的な情報です。 公開レポートでは、AIを候補や情報の比較・整理を助ける「補助レイヤー」として捉えています。これは顧客行動を考えるための解釈であり、各AIサービスがすべての媒体を参照する、という技術仕様の説明ではありません。[2] また、「人がAI以外の情報も確認すること」と「AIがどの情報を読み取って回答するか」は、別の問題です。今回のアンケートで尋ねたのは前者に関わる利用行動であり、推薦の仕組みや各情報源の重みではありません。顧客の行動についての結果を、そのままAIの評価基準として説明しないようにします。店舗が整えるべき三つの情報
1.何を提供する店かを、短く具体的に書く
料理ジャンル、代表料理、価格帯、エリア、主な利用シーンを明確にします。「こだわりの空間で特別な体験を」という抽象的な説明だけで終わらず、顧客が候補を比較できる言葉を用意しましょう。 例えば「記念日に向く店」と伝えるなら、二人で利用できる席、コース内容、追加サービスの有無や条件まで説明します。言葉だけで用途を増やすより、実際に対応できる体験を具体的に示す方針です。これは特定のAIに評価される表現を断定するものではなく、人が店を比較できる情報を整える提案です。2.媒体による事実情報の食い違いを減らす
公式ホームページ、Google、店舗SNS、グルメ媒体で、営業時間やコース価格、利用条件がずれていないか確認します。同じ紹介文を機械的に転載するより、基準となる情報を揃えることが大切です。 情報を揃えるとは、すべての媒体に同じ長文を載せることではありません。ホームページには詳細、SNSには写真と要点を置くなど、伝え方は変えられます。一方で、同じコースの名称・価格・提供期間は揃え、媒体限定プランがある場合は、その違いが分かる説明を付けます。3.確認した人が予約を判断できるようにする
席や料理の情報を見た後、予約方法や当日の入店条件が分かる状態にします。AIに紹介されることだけを目標にせず、店舗を知った人が自分に合うかを判断できるところまで整えます。 予約を受ける店なら、希望日時の選択前に、コースや席の条件を確認できるようにします。当日入店が中心の店なら、営業時間や入店方法が判断材料になります。候補として知ってもらえた後に残る疑問を減らすことが、情報整備の具体的な目標です。「落ち着いた店」を、比較できる説明へ置き換える
情報の具体化を考える例として、「落ち着いた雰囲気で特別な時間を」という紹介文を見直してみます。この文章だけでは、席の種類、料理の形式、価格帯が分かりません。伝えたい価値を残しながら、「少人数のテーブル席で季節のコースを楽しめる」といった事実を添え、席の写真やメニューへつなぎます。 ただし、実際には周囲の会話や音がある空間を「必ず静かに過ごせる」と断定する必要はありません。店が管理できる席の配置や利用条件を示し、写真も実際の営業に合うものを選びます。顧客が自分の期待と照らし合わせられる説明を増やすのであって、魅力を大きく見せるための言葉を増やすのではありません。 よくある質問も同じです。「どんな用途にもおすすめです」と広げるより、「二人利用の席はあるか」「コース以外で注文できるか」といった実際の質問に答えます。回答は店舗の運用に合わせ、対応できないことも明確にします。ここで示した文章は情報設計の例であり、特定店舗の説明ではありません。AI向けの追加発信より先に、情報の更新手順を決める
COLLINSの実践提案として、まずは公式ホームページを基準に、料理・価格・席・営業時間・予約条件を一つの確認表にまとめます。その後、主要な掲載先を見比べ、変更が必要な箇所と担当者を記録します。料金やメニューを変更するときに、どの媒体を更新するかが分かる状態をつくることが目的です。 更新後は文章だけでなく、古い価格が入った写真や、以前のメニューへ進むリンクが残っていないかも確認します。新しい情報を足す担当と、古い情報を見直す担当が分かれている場合は、両方が完了して初めて更新終了とするルールにします。AIでの露出だけを追うより先に、顧客が複数の確認先で迷わない基盤を整えましょう。 更新確認では、掲載先ごとに新しい説明を考え直すのではなく、まず変更した事実を共有します。写真や文章の表現は各媒体に合わせても、顧客が判断する条件は同じ基準から案内する。この区別を担当者間で揃えることが、複数接点を運用する際の確認基準になります。まとめ:AI対策の先にも、人の確認がある
今回のAI認知層100名のうち98名は、AI以外の確認先も選んでいました。COLLINSが重視するのは、新しい接点への対応と、既存の情報整備をつなぐことです。AIだけに合わせて発信を増やす前に、顧客が確かめたい事実が揃っているかを点検しましょう。参考資料・調査上の注意
- COLLINS株式会社「飲食店の選び方に関するアンケート2026」ローデータ再集計。Q2のAI4選択肢のいずれかを選択したユニーク100名を対象にQ9を集計。AI以外の具体的確認先はQ9の選択肢1〜6と定義。
- COLLINS株式会社『飲食店の選び方・探索行動レポート2026』p.12・35(AIの位置づけと情報整備)。
調査全体は、一人あたり3,000円以上の店内での外食を3ヶ月に1回以上する20代〜60代以上の1,049名。各設問は自己申告、複数回答。再集計は重み付けなし。回答間の併用傾向であり、実測の行動順序や因果関係を示しません。情報整備によってAIでの掲載・推薦が保証されるものではありません。
関連記事
COLLINS株式会社 飲食店のマーケティングに関するご相談は、COLLINS公式サイトのContactからお問い合わせください。