飲食店のInstagramはフィードとリールをどう使い分ける?
目次
この記事のまとめ
フィードとリールは、どちらが優れているかではなく、見せたい体験と、読者が確かめたい内容から使い分けます。
- 写真投稿は料理・席・条件を見返せる情報に、リールは動きや提供場面が伝わる内容にします。
- 形式ごとに別の店を見せず、同じ提供価値と利用条件を共有します。
- 撮影前に投稿の役割と確認先を決め、再生数だけで配分を決めないようにします。
フィードとリールを、別々の集客施策にしない
本記事では、写真や複数画像を中心とした投稿を「フィード投稿」、動画を中心とした投稿を「リール」として整理します。閲覧する場所と投稿の形式を厳密に分けた用語ではなく、制作上の使い分けを説明するための呼び方です。 COLLINSの2025年版指南書では、フィードをブランドの顔、リールを認知拡大の機会として整理しています。2026年版レポートでは、形式を問わず、SNSに「発見」と「空気感の確認」の両方を担わせる考え方を示しています。[1][2] これは「リールは新規客専用、写真は既存客専用」という境界ではありません。動画で席を確認する人も、写真をきっかけに初めて店を知る人も想定できます。役割は投稿内容に合わせて設計し、形式だけで顧客の行動を決めつけないことが重要です。写真投稿は、立ち止まって確かめる情報をつくる
写真投稿では、料理の盛り付け、席の配置、コースの構成などを、読者が自分のペースで確認できる形にします。一枚で魅力を伝える方法もあれば、複数画像で料理・席・利用条件を順番に説明する方法もあります。 例えば季節コースなら、最初に代表料理、続いて食事全体の構成や席、最後に価格・提供期間の案内を置く構成が考えられます。画像を増やすことが目的ではなく、最初の写真だけでは分からない判断材料を補うためです。 一方、店内用のメニュー表をそのまま画像にすると、スマートフォンでは読みにくい場合があります。全内容を小さく詰め込まず、投稿では選ぶ理由と要点を示し、詳しいメニューの確認先へつなぎましょう。リールは、静止画では伝わりにくい場面を見せる
リールでは、料理の仕上げ、席までの移動、目の前で提供される様子など、動きがあることで理解しやすい体験を選びます。完成写真の連続だけでなく、「この店で食べると何が起きるか」を考えるのが出発点です。 例えば、料理人が目の前で一皿を仕上げる店なら、手元だけでなく、客席との距離や提供される瞬間まで見せる方法があります。食材の接写で終わるよりも、カウンターで過ごす時間を説明できます。 動画の尺は、伝える内容に応じて決めます。特定の秒数や流行の編集を採用すれば必ず広く届く、という前提にはしません。無音でも要点が理解できる説明、料理名や店舗の場所が分かる案内など、内容の理解を優先します。同じテーマを、写真と動画でどう分担するか
同じ料理を両方で取り上げても構いません。ただし、同じ説明を形式だけ変えて繰り返すより、それぞれで答える疑問を変えると役割を整理できます。以下はCOLLINSが提案する制作上の分担例です。| 伝えたいテーマ | 写真投稿で確かめること | リールで見せること |
|---|---|---|
| 季節のコース | 料理構成・価格・提供条件 | 仕上げ・提供・食事の流れ |
| 二人で使う席 | 配置・広さ・利用人数 | 着席した眺め・料理が届く場面 |
| 料理人のこだわり | 考え方・料理との関係 | 手仕事・説明・提供の工夫 |
プロフィールを訪れた後の確認をつなぐ
投稿単体で料理への関心が生まれても、アカウントを訪れた人に、何の店か、どこにあるか、どのくらいの予算かが伝わらなければ、利用の検討は進めにくくなります。投稿同士の見た目だけでなく、店舗像の一貫性を点検します。 COLLINSは、コンセプト・代表料理・空間などの繰り返し確認される情報と、季節商品・営業情報などの鮮度を伝える情報を分けています。[2] 新しい動画が増える時期にも、初めて訪れた人が基本情報を確認できる状態を残します。 メニューや予約へ案内するときは、投稿で見せた料理名と、確認先の名称を揃えます。「詳しくはこちら」だけでなく、何が分かるページなのかを伝え、同じコースの価格や期間が媒体ごとに食い違わないようにします。撮影の前に、一本の役割を短く書く
制作メモには「想定する利用シーン」「伝える体験」「写真と動画のどちらで分かりやすいか」「詳しい確認先」を記載します。撮れるものを撮ってから使い道を探すのではなく、説明したい内容に合わせて必要な素材を決めます。 写真では料理全体と席、動画では仕上げと提供を押さえるなど、一度の撮影で役割の異なる素材を用意する方法があります。撮影担当と投稿担当が違う場合も、このメモを共有すれば、条件の説明に必要な写真がないという行き違いを点検できます。 運用の負担が大きい場合は、形式の数を増やす前に制作範囲を絞ります。すべてのテーマを写真と動画の両方で作る必要はありません。静止画で十分に伝わる情報と、動きが欠かせない情報を分けて、現場が続けられる作業量にします。COLLINSの考察:投稿の比率より、足りない説明を見る
フィード何本、リール何本という比率を先に決めると、必要のない動画や、意味の薄い写真を埋める運用になりかねません。直近の投稿を見て、代表料理、過ごし方、背景、利用条件のどこが伝わっていないかを先に確認します。 振り返りも、写真と動画の再生・反応の数字を一つの順位表にするだけでは不十分です。同じ公開後期間で、投稿の目的に合う反応や質問があったかを見ます。席の説明なら人数への疑問が解消されたか、料理紹介ならメニューを確かめる行動があったかを確認します。[3] 見られなかった投稿には、見つけやすさや内容の伝え方を見直す余地があります。一方、広く見られても店の情報に関心が向かないなら、主役となる体験や確認先を点検します。形式の勝ち負けではなく、次の制作で直す内容を決めましょう。 撮影後の素材管理でも、料理名だけでなく「何を説明する写真・動画か」を添えて保存します。例えば同じコースの素材でも、席の広さを見せる写真と、仕上げを見せる動画を区別します。担当者が変わっても用途を判断できれば、毎回同じ接写だけを選ぶ運用を見直せます。 また、公開済みの投稿と次の撮影予定を並べて見ると、何度も説明していることと、まだ説明していないことを整理できます。新しい形式を追加する前に、この不足を撮影の依頼へ戻しましょう。まとめ:形式ではなく、伝える体験から選ぶ
フィードとリールは、店の価値を異なる角度から伝える手段です。 まず一つの料理か利用シーンを選び、写真で確かめたい情報と、動画で見せたい場面を書き分けてください。必要な説明を揃えてから、制作する形式と本数を決めることが出発点です。参考資料・執筆上の注意
- COLLINS株式会社『飲食店のマーケティング指南書2025』p.54〜55・76(投稿形式の役割、公式アカウントの世界観と店舗体験)。
- COLLINS株式会社『飲食店の選び方・探索行動レポート2026』p.25・28(SAP、発見と空気感の確認、蓄積と鮮度)。
- COLLINS株式会社『飲食店の選び方・探索行動レポート2026』p.38〜39(中間指標と、接点を横断する効果の評価)。
本記事の役割分担、撮影手順、投稿例は資料を実務へ具体化したCOLLINSの提案です。Instagramの表示順位、最適な投稿比率・動画尺を示すものではありません。機能や利用条件は更新されるため、実際の利用画面で確認してください。
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