飲食店選びは5つの行動タイプに分かれる|全国1,049名調査

飲食店選びは5つの行動タイプに分かれる|全国1,049名調査

目次

飲食店のお客様を理解するとき、年齢や性別だけで探し方を決めつけないことが重要です。COLLINSは、全国1,049名の回答から、飲食店を知り、探し、確認し、予約する行動を五つのタイプに整理しました。この記事では各タイプの違いと、店舗の情報整備にどう活用するかを解説します。分類は本調査内の相対的な傾向であり、人の性格を固定する診断ではありません。

5つの行動タイプは、何をもとに分類したのか

対象は、一人あたり3,000円以上の店内での外食を3ヶ月に1回以上する、全国の20代〜60代以上の男女1,049名です。認知のきっかけ、普段・特別な外食の探索手段、詳細確認先、予約手段に加え、SNS・AIで知った店への来店経験を分析しました。[1] 複数回答の選択肢を媒体群へまとめ、質問内での選択割合など34の特徴量に整理し、標準化したうえでK-means法により五つに分類しています。年齢・性別・地域と日常メディア利用のQ1は分類の入力から除き、属性は分類後の特徴確認に使っています。詳しい方法はレポートp.22に記載されています。 つまり、「若いからSNS型」と名づけたのではありません。先に行動のまとまりを見つけ、その後に年代構成を確認したものです。各タイプの人数・割合は、次のとおりです。[2]
行動タイプ 人数 構成比
グルメサイト比較・予約型 347名 33.1%
Google絞り込み型 304名 29.0%
SNS発見・体験確認型 178名 17.0%
紹介安心型 139名 13.3%
AI・SNS情報横断型 81名 7.7%
小数点以下の丸めにより、構成比の合計は100.0%と一致しません。また、この割合を日本人全体や自店の客層の割合に、そのまま置き換えることはできません。

1.グルメサイト比較・予約型:比較できる材料が重要

構成比33.1%のこのタイプは、普段の外食と特別な機会の両方でグルメ媒体の利用が相対的に高い層です。詳細確認では媒体の店舗ページ、公式ホームページ、口コミを参照し、予約も食べログ・ホットペッパー・ぐるなび等に寄る傾向があります。[2] 店舗側は、比較されることを避けるのではなく、比べられても価値と条件が伝わるようにします。価格だけでなく、コースの内容、料理の量、席、利用シーン、予約条件を揃えることが対策の中心です。「有料枠を増やすか」だけでなく、現在の店舗ページで判断できるかを確認します。 平均年齢は45.0歳ですが、20〜30代も36.3%を占めます。グルメ媒体を使う層を中高年だけと捉えず、条件を比べて決めたい顧客への情報面として考えます。

2.Google絞り込み型:必要な情報を迷わず確認できること

構成比29.0%のこのタイプは、Google検索・Googleマップでの探索が相対的に強く、公式ホームページや電話から予約する傾向があります。レポートでは、必要な条件を確認して候補を絞り込む型として解釈しています。[3] 料理ジャンル、予算、営業時間、場所、席、予約可否を、Googleと公式ホームページで分かりやすく示します。検索で表示されることに加え、その店へ実際に行けるか、目的に合うかまで判断できることが重要です。 平均年齢は41.6歳、20〜30代は47.0%、50代以上も29.3%です。「短時間で決めたい」という説明は回答の傾向からの解釈であり、意思決定にかかった時間を計測した結果ではありません。

3.SNS発見・体験確認型:公式アカウントも判断の場所になる

構成比17.0%のこのタイプは、InstagramやYouTube、SNS検索などを通じて店を知り、詳しく調べる際も店舗SNSを強く参照する層です。平均年齢は38.9歳で、20〜30代は57.9%ですが、50代以上も20.2%を占めます。[4] 発見を生む写真・動画と、訪れた人が空気感を確かめる公式アカウントの両方を整えます。料理写真だけでなく、席から見える様子、提供する場面、料理人や背景も伝えます。投稿を見た人が、ホームページや予約先へ進める案内も必要です。 SNSの再生数を増やすことと、公式アカウントを比較に役立つ状態にすることは別の作業です。外部の投稿で店を知った人にも、その後に確認できる情報を用意します。

4.紹介安心型:人からの推薦を、情報と体験で支える

構成比13.3%のこのタイプは、家族・友人・知人の推薦を相対的に重視し、探索の幅は比較的狭い傾向があります。予約方法は電話や公式ホームページ、または予約しない来店が中心です。平均年齢は45.3歳ですが、20〜30代も36.0%います。[5] 対策の出発点は、紹介特典ではなく、既存客が人に話したくなる店舗体験です。そのうえで、紹介された人が価格、席、場所、予約方法を確認できる状態にします。 「紹介で来るのだからネット上の情報は不要」とは考えません。紹介者が伝えた内容を、本人が確かめ、同行者へ説明できる情報が必要です。期待した過ごし方と実際の営業が一致しているかも点検します。

5.AI・SNS情報横断型:複数媒体で確かめられる情報を揃える

構成比7.7%のこのタイプは、AI・SNS・インフルエンサー投稿などの提案を受け入れ、複数の媒体を確認する傾向が相対的に強い層です。平均年齢は36.6歳、20〜30代は61.7%でした。[6] 公式ホームページ、Google、SNS、グルメ媒体で、価格や営業時間、席、予約条件を一致させます。媒体ごとに同じ文章を置くのではなく、写真と説明が同じ店舗体験を示し、確認した先で新たな矛盾が生じないようにします。 この81名は、単に「AIを使う」と回答した人の人数ではありません。複数の行動指標から得た分類であり、AI利用者全員の特徴として扱わないことが大切です。

COLLINSの考察:5タイプは、予算配分表ではなく情報設計の道具

最も人数が多い型に、同じ比率で予算を振り分ければよいわけではありません。自店が提供する価値、主要な利用シーン、商圏、現在の来店客の行動を合わせて、優先する接点を考えます。分類が示すのは、店を選ぶときに参照する情報の違いです。[7] 実践では、まず「誰と、何のために来てほしいか」を一つ決めます。次に、その場面の顧客が使う入口、比較材料、予約方法を書き出します。グルメ媒体で候補に入る想定ならコースと席を、SNSで興味を持つ想定なら空気感と詳細確認先を厚くする、といった使い方です。 ただし、優先順位を決めても共通情報は残します。どの型でも、営業しているか、予算が合うか、どこから予約するかは確認できる必要があります。媒体ごとに別々の客層へ別の店のように見せるのではなく、同じ価値へ異なる入口から進める設計にします。

分類を使うときに避けたい、二つの読み違い

一つは、タイプの説明を全員に共通する実測経路と読むことです。今回の分類は自己申告の回答をまとめたもので、個々人の閲覧順序を追跡したものではありません。普段と特別な外食では、同じ人でも使う方法が変わる余地があります。 もう一つは、分類を永久に固定された人物像と考えることです。店舗での会話、予約記録、顧客アンケートなどと照らし合わせ、自店で本当に必要な情報を見直すための仮説として使います。数値を当てはめることより、見落としていた確認先に気づくことが実務上の意味です。

まとめ:属性から一歩進み、選び方に合わせて伝える

お客様は、同じ年齢でも同じ方法で店を選ぶとは限りません。 五つの行動タイプを手掛かりに、どこで見つけ、何を確かめ、どこから予約するかを考えます。COLLINSは、属性だけに依存せず、利用シーンと探索行動を組み合わせて、店舗の価値が伝わる接点を設計します。

参考資料・調査上の注意

  1. COLLINS株式会社『飲食店の選び方・探索行動レポート2026』p.5〜6・22(対象者・分析項目・34変数によるクラスター分析)。 解説書の公開案内
  2. COLLINS株式会社『飲食店の選び方・探索行動レポート2026』p.16〜17(構成比とグルメサイト比較・予約型)。 解説書の公開案内
  3. COLLINS株式会社『飲食店の選び方・探索行動レポート2026』p.18(Google絞り込み型)。 解説書の公開案内
  4. COLLINS株式会社『飲食店の選び方・探索行動レポート2026』p.19(SNS発見・体験確認型)。 解説書の公開案内
  5. COLLINS株式会社『飲食店の選び方・探索行動レポート2026』p.20(紹介安心型)。 解説書の公開案内
  6. COLLINS株式会社『飲食店の選び方・探索行動レポート2026』p.21(AI・SNS情報横断型)。 解説書の公開案内
  7. COLLINS株式会社『飲食店の選び方・探索行動レポート2026』p.24〜27(WHAT・WHO・HOWと行動タイプの実務活用)。 解説書の公開案内

調査対象は、一人あたり3,000円以上の店内での外食を3ヶ月に1回以上する20代〜60代以上の1,049名。既存の公開レポートの分類結果を解説しており、本稿で新たなクラスター分析は行っていません。方法はp.22を参照。構造的欠損の補完・特徴量の集約・標準化を含む分析設計に基づく相対的分類です。人数は合計1,049名、割合は小数点以下の丸めで合計100.1%。実測経路、因果関係、固定的な性格分類を示しません。

関連記事

COLLINS株式会社 飲食店のマーケティングに関するご相談は、COLLINS公式サイトのContactからお問い合わせください。

会社概要

Company Info

詳しく見る

お問い合わせ

Contact

お問い合わせをする